メンタルモデルとは?具体的な事例やメンタルモデルダイヤグラムについても紹介!

Keeperz編集部

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この記事は約11分で読めます。

「メンタルモデルって何?」
「メンタルモデルの考え方をデザインにどうやって応用するの?」
「メンタルモデルダイアグラムについて知りたい!」

メンタルモデルとは、かんたんに言うと「人それぞれが持っている価値観」のこと。人々がどのようにものごとを解釈するのかは、メンタルモデルによって決まります。

そのため、ターゲットユーザーのメンタルモデルを分析することは、プロダクトを設計するうえで無視できない要素です。

本記事ではデザイン・エンジニアリング両面からサービスの設計・開発を行っているFlowzが以下の内容について詳しく解説します。

  • メンタルモデルとは
  • メンタルモデルの例
  • メンタルモデルダイアグラムの作り方

抽象的で理解しにくいメンタルモデルについて分かりやすく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください!

なお、Flowzではデジタル領域でのサービス設計、プロダクト開発の視点からお客様のビジネスをサポートしています。お困りごとがある方はぜひお気軽にご相談ください!

メンタルモデルについて詳しく解説

まず、メンタルモデルとは何かについて詳しく解説します。

  1. メンタルモデルとは
  2. メンタルモデルは思考に結びつく土台
  3. メンタルモデルは意識するものではない

1. メンタルモデルとは

メンタルモデルとは「人それぞれが持っている思い込みや価値観」のことを指します。

人がある物事をどのように認識し解釈するのかは、これまでの経験や価値観によって決まります。

例えば、小さいころに「着ぐるみに手を引っ張られて転んだ」という経験があると「着ぐるみは怖い」という印象が定着し、大人になっても着ぐるみに対して苦手意識が拭えません。

一方、着ぐるみに対してポジティブな印象を抱いている人は、幼いころに楽しかった経験をしている傾向にあります。例えば、着ぐるみのキャラクターと一緒に家族で写真を撮ったりハグをしてもらったり…。このような経験がある人は「着ぐるみは楽しませてくれるもの」という印象を持ち続けるでしょう。

つまり、着ぐるみという対象を「怖いもの」と解釈するか「楽しませてくれるもの」と解釈するかは、それぞれの個人的な体験に基づいて変わります。このように、自分でも気が付かないような物事の捉え方や判断基準が「メンタルモデル」の正体です。

2. メンタルモデルは思考に結びつく土台

メンタルモデルは、思考を形成する土台です。人々の行動は思考によって決まり、思考はメンタルモデルによって無意識下で決定づけられています。

さらに深堀すると、メンタルモデルは過去の経験によって形成されていることも忘れてはいけません。

そして自分がとった行動の結果、新たな体験がもたらされ、その体験によって新たなメンタルモデルが形作られます。

このように、メンタルモデルによって行動が決まり、行動によって新たな体験をし、その体験に基づいたメンタルモデルが形成されます。つまり、互いに循環する関係にあることを押さえておきましょう。

3. メンタルモデルは意識するものではない

メンタルモデルは、意識して変えられるものではありません。着ぐるみを見て「楽しそう!」と思うか「怖い!」と感じるかは、過去の体験に基づくメンタルモデルによって、感覚的に決まってしまいます

そのため、メンタルモデルを書き換えるには、新しい体験をする必要があります。着ぐるみが怖いから避け続けるのではなく、いつもと違う行動をして思い込みを払しょくするような体験をすれば、メンタルモデルは書き換えられるのです。

つまり、メンタルモデルを書き換えるには、メンタルモデルそのものを変えようとするのではなく、新しい体験をしなくてはなりません。従来のメンタルモデルに縛られずに、いつもとはちがう「行動」を起こす必要があるでしょう

メンタルモデルの例【色の使い方】

メンタルモデルは、色とも密接な関係があります。色に基づくメンタルモデルを利用し、ユーザーに情報を与えたり行動を促したりできます

例えば「赤=温かい」「青=冷たい」という概念は、全体的に共有されている色のメンタルモデルです。実際、自動販売機やコンビニの棚など、いたるところで温度と色の対応関係が使われています。

また、デジタルメディアの領域において、赤は警告や重要度が高いことを示すときに使われたり、青はテキストリンクなど、ページ遷移させたいときに使われたりします。

このように、ほぼ全員に共通しているメンタルモデルのルールに沿って色を使えば、ユーザーに対して直感的に意図を伝えられるのです。

メンタルモデルを悪用したデザイン例

メンタルモデルを意識したデザインは、しばしば悪用されるケースもあります。

例えば、下の図にはいくつも「DOWNLOAD」ボタンがあり、ユーザーの誤クリックを誘発しています


引用:makeuseof

これは、無料ソフトのダウンロードページでよく見られる手口です。

他にも、以下のような悪用例があります。

  • 画面を閉じるはずの「×」ボタンをクリックしたら、更新プログラムが開始するよう設定する(ユーザーの意図に反する操作を誘導している)
  • Windows公式の警告画面を装って、個人情報を抜き取るソフトをダウンロードさせる

どのパターンも「×を押せば無視できるだろう」「Windowsの警告なら従うべきだろう」といったユーザーの思い込みを逆手に取っていますこのような悪質なデザインが発端となり、訴訟問題にまで発展したケースもあるほどです。

メンタルモデルを逆手に取ることは、ユーザーからの信頼を一気に失います。

メンタルモデルダイアグラムとは

メンタルモデルダイアグラムとは、ユーザーの行動や思考パターンを分析し理解するための手法です。ユーザーの知識や経験、感情や動機などを書き出し、ユーザーが抱えているメンタルモデルを可視化します。

メンタルモデルダイアグラムを作成することで、以下のようなメリットを期待できます。

  • 制作者側の思い込みや偏見を排除できる
  • ユーザーから得られた情報をカテゴライズして分析できる
  • ユーザー目線で商品やサービスを設計できる

プロダクトを開発するとき、初めに取り組むべきことはユーザーについて深く知ること。メンタルモデルダイアグラムは、ユーザーを分析する際によく使われる手法です。

メンタルモデルダイアグラムの作り方

ここでは、メンタルモデルダイアグラムの作り方を3つのステップに分けて解説します。

  1. ターゲットにインタビューをする
  2. インタビューからタスクを抽出する
  3. タスクをグルーピングしてメンタルモデルを分析する

1. ターゲットにインタビューをする

まずは、ターゲットとなるユーザーにインタビューします。

例えば、中学生や高校生向けに学習アプリを開発している場合、ターゲットユーザーは現在中学や高校に通っている13歳~18歳までの生徒です。

中学生や高校生から、学習に関して以下のような声が抽出できたとします。

  • 家に帰ってからは勉強したくない
  • 通学中は暇
  • 動画を見るだけでは、あたまになかなか入らない
  • 分からないところを質問できると勉強が捗る

このような生の声を集められたら、次のステップへ進みましょう。

2. インタビューからタスクを抽出する

次に、インタビューの内容から「タスク」を抽出します。ここで言う「タスク」とは、行動や感情・思考や価値観などを指します。

ターゲットのユーザーが、普段どのようなことを考えて行動しているのかを分析するのが大切です。例えば、学習アプリにおけるターゲットユーザーのインタビューからは、以下のようなタスクを抽出できます。

このように、インタビュー内容からユーザーの行動が予測できるでしょう。

3. タスクをグルーピングしてメンタルモデルを分析する

最後に、タスクをグループ化してタワー状に積み上げます。

内容の類似性があるタワーをグルーピングすると、ユーザーの心理がまとめやすくなるでしょう。

グルーピングされたタワーを「メンタルスペース」と言います。タワーやメンタルスペースの数が多いほうが、より網羅的にユーザ心理に近づけます。

このようにメンタルモデルダイアグラムを作成すれば、ニーズが分厚い領域かがわかり、プロダクトに盛り込むべき機能も明確になるでしょう。

メンタルモデルについて詳しく書かれた本


出典:Amazon
書籍名ザ・メンタルモデル 痛みの分離から統合へ向かう人の進化のテクノロジー
著者由佐美加子, 天外伺朗
価格1,925 円

メンタルモデルについて学びたいなら「ザ・メンタルモデル」がおすすめです。

本書は、典型的なメンタルモデルを以下の4つのパターンに分けて解説しています。

  • 価値なしモデル
  • 愛なしモデル
  • ひとりぼっちモデル
  • 欠陥欠損モデル

自分のメンタルモデルを分析すると、今まで気が付かなかった心の奥底にある価値観を認識できるでしょう。

「人間はいかにして意思を決定するのか」を理解すれば、プロダクトの設計や開発にも役立つかもしれません

メンタルモデルに沿って信頼感のあるデザインを意識しよう

メンタルモデルは、自分でも気づかないような心の奥深くに根付いている価値観です。ユーザーのメンタルモデルを分析してプロダクトを設計すれば、潜在的なニーズに刺さる優良サービスを作れるでしょう。

しかし、メンタルモデルに基づいたデザインは悪用できるのもまた事実。ユーザーからの信頼を失わないためにも、誤解を招くようなデザインは避けて、ユーザー目線に立ってプロダクトを開発することが何よりも大切です。

なお、弊社Flowzではデジタル領域でのサービス設計、プロダクト開発の視点からお客様のビジネスをサポートしています。UXデザインを自社サービスでも活かしたい方は、ぜひFlowzにご相談ください!

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