UXデザインとは?UIデザインとの違いや具体的な事例についてわかりやすく紹介

Keeperz編集部

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この記事は約13分で読めます。

「UXデザインってそもそもどういう意味?」
「UXデザインとUIデザインは具体的に何が違うの?」

UXデザインは、製品やサービスを設計するうえで非常に重要な考え方ではあるものの、その意味を完全に理解している方は多くないでしょう。

そこで本記事ではデザイン・エンジニアリング両面からサービスの設計・開発を行っているFlowzが以下の内容について詳しく解説します。

【本記事で分かること】

  • 「UXデザイン」の意味
  • UXデザインとUIデザインの違い
  • UXデザインにおける5つのプロセス

UXデザインの意味はもちろん、サービスの設計にどのように活かしていくのかについても解説するので、ぜひ最後までお読みください。

なおFlowzではデジタル領域でのサービス設計、プロダクト開発の視点からお客様のビジネスをサポートしています。お困りごとがある方はぜひお気軽にご相談ください!

UXデザインとはユーザの体験を設計すること

大前提としてUXとはUser Experience(ユーザー体験の略)で、UXデザインとは製品やサービスを利用するユーザー体験そのものを設計することを指します。UXデザインの範囲は製品やサービス自体の設計に留まりません。

サービスを利用したユーザーが体感する環境を設計すること全体を指して「UXデザイン」と呼ばれています。

例えば、ユーザーが音楽アプリを使用する際に「聞きたい音楽を見つけやすかった」「自分好みの楽曲を次々おすすめしてくれる」といった体験もUXの一部です。つまり音楽アプリの場合「アプリで音楽を聞く」という体験のなかで、ユーザーが心地よく使えるように設計することがUXデザインにおいて目指すべき目標と言えます。

このようにUXデザインは、全ての製品やサービスを設計する際に必要になる考え方です。

UXデザインとUIデザインの違い

UXは「ユーザー体験全て」のことを指す一方、UIは「ユーザーと製品やサービスの接点」のことを表します。UIはUser Interfaceの略で、UIデザインとはアプリやWebサイトにおいて、ユーザーが実際に操作する画面周りの設計のことです。

音楽配信サービスを具体例にとると、配信している楽曲数や音質、レコメンドの精度などがユーザー体験(UX)に含まれます。一方アプリ内のボタン配置やどのボタンを押したらどの画面に遷移するのかなど、操作性に関わる部分はUIデザインの良し悪しが関係する領域です。

つまり製品やサービスの操作に関係する要素(UI)はユーザー体験(UX)の一部であるため、UXデザインの中にUIデザインが含まれると言えるでしょう。

UXデザインにおける5つのプロセス

次に、どのようにUXデザインの考え方に基づいて製品やサービスを設計していくのかについて、そのプロセスを解説します。

  1. ユーザーのニーズを調査する
  2. 調査したニーズを分析する
  3. プロトタイプを作成する
  4. プロトタイプを評価する
  5. 改善を繰り返す

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.ユーザーのニーズを調査する

UXデザインにおける最初の一手は、ターゲットに設定しているユーザーのニーズを調査することです。ユーザーが普段どんなことに不満を抱いているのかが分かれば、製品やサービスをどのように改善すべきかがわかるでしょう。

ユーザーの声を入手する方法として、既にサービスを利用しているユーザーにインタビューを実施したり、アプリやWebサイトのなかでアンケートを実施したりする方法があります。

例えばYouTubeの場合、時折ユーザーに動画に対する評価を求めています。

動画に対する生の声を収集することで、どのユーザーにどの動画をどれくらいの頻度でレコメンドするのかを決めていると推測できるでしょう。

このようにユーザーの声を集めることは、ユーザー体験を改善するためにどのようにサービスを改良すべきかの足掛かりになるのです。

2.調査したニーズを分析する

ユーザーからの生の声を抽出できたら、製品やサービスに落とし込むためにユーザーから収集したニーズを分析します。その際に、典型的なユーザーの人物像である「ペルソナ」を作成します。

ペルソナを決める際は、インタビューした人やアンケートを実施した人に共通する属性や特徴を抽出すると良いでしょう。具体的には以下の項目を詳細に設定するようにします。

項目具体的要素
属性名前、年齢、性別、居住地、家族構成、趣味、など
行動の特徴製品・サービスにまつわる日常的な行動
目標製品・サービスを利用することで解消したいこと

このようなポイントを細かく設定することで、サービスを設計する際に軸がぶれにくくなるでしょう。

3.プロトタイプを作成する

ペルソナまで作成できたら、次に「試作モデル」であるプロトタイプを作成します。製品やサービスの細部を作り込む前に、開発しているシステムがユーザーにとって使いやすい設計になっているかを評価する必要があるからです。

プロトタイプを作成する際は、ユーザーにとって分かりやすい設計になっているかを念頭におくことが大切です。例えば以下のようなポイントを意識してみてください。

  • コンバージョンまでの導線がユーザーとって複雑になっていないか?
  • そもそもこのページに遷移させる必要はあるのか?
  • ユーザーに誤解を与えそうな部分はないか?

なおプロトタイプはあくまで試作品であるため、見た目にこだわる必要はありません。見た目にこだわってプロトタイプを作成してしまうと、あとで大幅な手戻りが発生したときに時間と労力の無駄になってしまいます。

このようなポイントを考慮しつつプロトタイプを作れば、この先の工程もスムーズに進められるでしょう。

4.プロトタイプを評価する

プロトタイプを作成したらペルソナに近い被験者に実際に操作してもらい、UXの観点で問題点を洗い出します。このようにペルソナに近い被験者に、製品やサービスの使い心地を試してもらう方法を「ユーザビリティテスト」と言います。

ユーザーから生の声をもらうことで、制作陣が発見できなかった改善点が浮き彫りになるのがユーザービリティテストを行う理由です。

ユーザビリティテストの際は「どこの操作画面で戸惑ったか」「このボタンをクリックした理由は何か?」などの細かいところまで被験者に聞き取り調査をするようにしましょう。また、何度も画面をスクロールしたり、ページを操作する手が一定時間止まったりするなどの特徴的な行動もメモしておくことが大切です。

実際にプロトタイプを操作しているところを観察すれば、ユーザーに誤解を与えやすいところや制作陣の意図していない操作を誘発する部分が明らかになるでしょう。

5.改善を繰り返す

ユーザビリティテストは1回で終わらせるのではなく、プロトタイプを改善したあとに再度実施します。何回かユーザビリティテストと改善を繰り返せば、サービスは徐々に洗練されたものになっていくでしょう。

1回目のテストで気が付けなかった改善点が、2回目3回目とテストを繰り返すことで見えてくることは珍しくありません。ユーザビリティテストを繰り返し、クオリティが問題ないと判断されたら、ビジュアル面などの細かなデザインに移っていきます。

UXデザインにおける2つの構造モデル

ここでは、UXデザインにおける有名な2つのモデルを紹介します。

  1. UX5段階モデル
  2. ユーザー・エクスペリエンス・ハニカム

どちらもUXデザインの本質を突いたモデルなので、ぜひ参考にしてみてください。

1. UX5段階モデル

「UX5段階モデル」とは、抽象的な概念の段階から具体的なサービスに落とし込むまでの工程を定義したモデルです。具体的には以下の5段階があげられます。

段階概要
1. 戦略製品やサービスの目的を定義する
2. 要件ユーザーに価値提供するコンテンツや機能を定義する
3. 構造製品やサービスに盛り込むコンテンツや機能を全体構造に組み込む
4. 骨格ユーザーが理解しやすいレイアウトのデザインやナビゲーションのデザインを行う
5. 表層ユーザーが視覚的に認識する要素であるフォントやロゴ、カラーを決定する

各段階において、最初は抽象度が高く、後の段階になるほど具体的になっているのがわかるでしょう。

UX5段階モデルは「どのような価値提供をするか」という抽象的な段階から始まっています。そして、具体的なフェーズの「画面に表示される色やロゴはどうするか」といったところまで、一気通貫でUXデザインにおける作業の階層を表しているのが特徴です。

このように抽象的なフェーズから徐々に土台を固めながら工程を前に進めれば、途中で軸を見失うことなくサービス設計の精度を高められるでしょう。

2. ユーザー・エクスペリエンス・ハニカム

一方「ユーザーエクスペリエンス・ハニカム」とは、ユーザーが感じる価値を6つの要素に分解した構造モデルのことを指します。

この6つの要素がバランスよく満たされると、ユーザーにとって価値のある体験を提供できるという考え方です。

  1. 役に立つ
  2. 好ましい
  3. アクセスしやすい
  4. 信頼できる
  5. 探しやすい
  6. 使いやすい

これらの要素に共通するのは「ユーザー目線に立っていること」です。どれだけ役に立つ機能が搭載されたアプリであっても、使い方が分かりづらかったり、機能がどこにあるのか分からなかったりしたら、ユーザーは満足しません

ユーザーエクスペリエンス・ハニカムで定義される6つの要素が両立してはじめて、ユーザにとって「価値がある」体験を提供できると言えるでしょう。

UXデザインの具体的な事例

なおFlowzは会議やインタビューの録画をアップロードするだけで、データを一括管理できる「Parrot」というサービスを提供しています。

日々の会議を議事録代わりに録画しているものの、そのデータを全然活用できないという悩みを抱えている方は多いでしょう。その課題を解決するために、Parrotには「膨大なデータから必要な情報を一瞬で抽出できる」という機能が搭載されています。

つまり「膨大な録画データをいちいち見直す時間がない」といったユーザーの不満を解消するサービスと言えるでしょう。

録画の内容を全て文字におこし、検索窓にKWを打ち込むだけで該当の箇所の録画データをピックアップしたり…。

録画データ内の大事な箇所にタグをつけたり…。

このようにParrotは「これまで活用しきれなかった膨大な録画データを日々の業務に活用できるようにする」というユーザー体験を創出した事例と言えるでしょう。

UXデザインが向上すればユーザーから支持されるプロダクトに近づく!

UXデザインとは、製品やサービスを利用するときのユーザー体験を設計するという意味の言葉です。製品やサービスが提供する機能的価値はもちろん、使いやすさや信頼性もUXデザインで考慮すべきポイントと言えるでしょう。

なおFlowzではデジタル領域でのサービス設計、プロダクト開発の視点からお客様のビジネスをサポートしています。UXデザインを自社サービスでも活かしたい方は、ぜひFlowzにご相談ください!

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